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これからの教育はタブレットが主役。
ICONIA TAB W500Pが遠隔交流学習実験の主要ツールに採用。Japan Society of Educational Information Report 2

2012年02月16日

岐阜女子大学の久世均教授、齋藤陽子准教授らは、先ごろ行われた遠隔交流学習実験の主要ツールに、エイサーのWindows®タブレット「ICONIA TAB W500P」を採用した。この実験の模様を追いながら、タブレットがこれからの教育界で果たす役割は何か、を探ってみた。

子どもたちの地域への理解とコミュニケーション能力を高める

news_120216_2_2.jpg遠隔交流学習実験中の佐見小学校。2年生は全部で6人しかいない。50インチの大型液晶TVには石嶺小学校の様子が、78インチの電子黒板には資料が映し出されている。タブレットは液晶TVの下にセットされている

「遠隔交流学習」とは聞き慣れない言葉だが、遠く離れた地域の人々と交流することにより、地域文化への理解を深め、同時にコミュニケーション能力を高めることを目的とした学習活動のことである。
岐阜女子大学の久世均教授、齋藤陽子准教授らは、岐阜県白川町の佐見小学校と、沖縄県那覇市の石嶺小学校をモデル校として、この遠隔交流学習を実験する計画を立てた。両校が選ばれたのは、ともに同じ課題を抱えていたからだ。

「どちらの子どもたちも自分たちの地域にいいものがあるのに、その良さに気づかず、当たり前と感じていたんです。佐見はきれいな川や緑に覆われた山といった豊かな自然、石嶺はすぐ近くにある世界遺産の首里城という恵まれた環境があります。でも、佐見や石嶺の子どもたちは、それをあまり実感していませんでした」(齋藤准教授)

そこで考えられたのが、共通の課題を持つ学校同士でお互いのことを調べ合えば、子どもの目線でさまざまなことに気づくのではないかということだった。こうして遠隔交流学習実験の準備が進み、2011年12月2日の三・四時限に実験が行われることとなった。

news_120216_2_1.jpg遠隔交流学習実験中の石嶺小学校。こちらは33名の児童が佐見小学校の子どもたちと画面で対面している

実験までの準備として、両校では相手の学校のおおよその位置や様子を理解し、写真や手紙などを送り合って情報交換を行った。また、自分たちの学校紹介や「まちたんけん」を実施してまとめたリポートを作成した。

「まちたんけん」は3、4名の小グループに分かれて、地域の施設や工場を訪ねた。お互いに比較し合って、似ているところ、違っているところを討論するために、対象の施設はJA、公民館、食品工場など同質のものが選ばれた。

導入の容易さと子どもたちの扱いやすさを考慮してタブレットを採用

双方の教室は専用のTV会議システムなどではなく、無料で誰でも使えるSkypeで結ぶこととし、お互いの様子を50インチの液晶TVに映写、共通で参照する資料を78インチの電子黒板に映写した。SkypeのコントロールはICONIA TAB W500Pで行った。

「教育現場のICT化の進展で、過半数の学校に電子黒板が整備され、インターネットが当たり前になりつつあります。今回の実験に当たっては、どの学校にもあるものを利用することにし、新規に導入するものは無料または安価なものとしています。Skypeは無料ですし、タブレットはPCよりも手軽に入手できます。また、先生方の大半がWindows OSに馴染んでいらっしゃることを考慮して、タブレットはWindows OSの機種を選びました」(久世教授)

news_120216_2_3.jpg遠隔交流学習を見守る岐阜女子大学のスタッフ。この実験の模様は、彼女たちによってデジタルアーカイブとして記録された。左が齋藤陽子准教授

今後は子どもたちのグループにタブレットを1台ずつ配布し、子どもたち同士がタブレットを介してお互いの疑問点をぶつけ合うようにする予定だそうだ。そうなれば、タブレットが持つ操作のしやすさや持ち運びやすさといったメリットが最大限に活かされ、「質問の答えを写真に撮ってすぐ送る」といったことも可能になるかもしれない。

こうして実施された遠隔交流学習実験だったが、子どもたちの反応は予想以上だった。事後のアンケート調査によれば、「地域に興味を持てるようになった」という子どもの数は、実験前のなんと3倍にも達している。もうひとつの目的であったコミュニケーション能力の向上も、多方面にわたって顕著に表れたという。

今回は「縁の下の力持ち」的な役割を果たしたICONIA TAB W500Pだが、実験が回を重ねるにつれて、その重要度はさらに増していくだろう。 「いずれは小グループに1台ずつ持たせて、グループ同士が聞きたいことや報告したいことをSkypeで話し合えるようにしたいと思っています」との齋藤先生の言葉にあるように、タブレットが教育現場で脚光を浴びる日は近い。

現場の先生たちが語る「子どもたちとタブレット」

ランドセルがいらなくなる時代が楽しみです ── 二ノ宮のり先生(佐見小)

news_120216_2_4.jpg白川町立佐見小学校教諭 二ノ宮のり先生

本番前は「あがるかな?」と緊張していたんですけど、子どもたちがすごく元気よくやってくれたので、私も普段通りに楽しみながらやらせていただきました。 山に囲まれた佐見の子どもたちは友だちの数が少なくて、2年生は全部で6人、男の子はたった1人です。だから常に寂しい、友だちが欲しいという気持ちがあるので、こういう機会に他地域の子どもたちと関われるのはとても良いことだと思います。

そのための道具として見ると、タブレットは軽くてバッテリーの持ちもいいし、すぐ使い方も覚えられるので、最適なのではないでしょうか。いずれ教科書もプリントも全部タブレットに入る時代になれば、ランドセルはいらなくなりますね。

視覚的な興味で学習が進むでしょう ── 米須智子先生(石嶺小)

news_120216_2_5.jpg那覇市立石嶺小学校教諭 米須智子先生

最初にタブレットを見せたとき、子どもたちから「わーっ」と歓声が上がりました。その次の瞬間、「さわらせてー」「見たい、見たい」。パソコンと違ってタブレットは、お父さんがスマートフォンや小型のタブレットを持っていたりするので、馴染みがあるのでしょう。

あまりにせがまれるので、さわらせたら、初めて使ったのにズームしたり小さくしたりできるんです。今の子どもたちは聞くだけの言葉よりも、視覚で訴えてさわると動くようなものにすごく興味や関心が集まりやすいですね。だから1人が1台持つようになったら、調べ学習が進んだり、自分で何かのコンテンツを作ったりなどができるようになると思います。ただし、漢字を書くなどのアナログ的なところは、いつまでも大事にしなければいけませんね。

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