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導入事例

「術野(surgical field)」を体感する次世代医用画像ビューワーViewtify®と裸眼3Dモニター

株式会社サイアメント<医用画像ビューワーViewtify®>様

導入モデル:裸眼3D立体視テクノロジー SpatialLabs搭載製品

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東京大学医学部附属病院、国立循環器病研究センター、愛媛大学医学部附属病院、神奈川県立こども医療センターなどに、研究や教育を目的として導入が進む新世代の医用画像ビューワーがあります。株式会社サイアメントが開発したViewtify®(ビューティファイ)という医用画像ビューワーは、裸眼3DモニターのAcer SpatialLabs View Proを活用して、CT画像やMRI画像をリアルタイムで3Dに変換し、体内の血管や心臓、骨などを高精細で再現性の高いリアルタイム3DCG画像として映し出します。

株式会社サイアメント<医用画像ビューワーViewtify®>瀬尾拡史氏

Interview


体内の立体構造を正確に再現する
Viewtify + Acer SpatialLabs View Pro

裸眼3DモニターのAcer SpatialLabs View Proを活用し、心臓や血管、骨などの立体構造を瞬時に再現する新世代の医用画像ビューワーViewtifyを開発した株式会社サイアメントの代表取締役社長で医療CGクリエイターの瀬尾拡史氏は、その特徴について次のように説明します。 「Viewtifyは、CTやMRIなどから得られる医用画像であるDICOMデータをリアルタイムで3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)として表示する次世代医用画像ビューワーです。直近でViewtifyは、従来のCT画像に時間軸を追加した4DCTにも対応できるようになり、裸眼3DモニターのAcer SpatialLabs Proを組み合わせると、さまざまな角度から血管や臓器の様子を立体視できます」。

Viewtifyの基本的な仕組みは、CT画像やMRI画像の各ピクセルの階調値と、各ピクセルの実際の長さや画像の立体空間上の位置などの情報読み込み、骨や臓器を3DCGとして再現します。これまでにも、医用画像を3DCGに変換するソフトはあり、医用画像処理は既存のソフトのほうがむしろ豊富です。Viewtifyでは、各ピクセルの値がある諧調値(閾値)よりも高いか低いかで2つの領域に分割するという最も古典的な画像処理しかできません。しかし、Viewtifyの最大の特徴はその描画速度と、階調値に合わせた彩色による3DCGの扱いやすさにあります。3DCG画像をさまざまな閾値条件で自由な角度や倍率でストレスなく表示できるように、従来の医用画像ビューワーに比べて100〜1000倍の描画性能を実現しました。

その結果「放射線科の先生などが画像を加工して執刀医に3DCG画像を提供する作業時間と比較すると、Viewtifyならば執刀医が自分で操作して、確認したい臓器や患部の状態を瞬時に閲覧できるようになります。さらに、裸眼3Dモニターで投影すれば、より『術野』に近い奥行きのある立体画像も確認できるのです」と瀬尾氏は説明します。

システム構成図

Viewtify開発の歴史

裸眼3Dモニターで「術野」を再現するViewtifyが開発された背景について、「きっかけは中学生のときにテレビの番組で目にした人体を再現した3DCGでした。当時、パソコン部に入っていて、C言語やアセンブラで、レイトレーシングなどの3DCGプログラミングを行っていました。ただ、自分には美術センスがなく、エンターテイメント性の高いCGは無理だとわかっていました。一方で、テレビの番組で見たような人体や細胞のようなアカデミックなCGならば自分にもできるかもしれないと思ったのです」と瀬尾氏は振り返ります。

その後、東京大学医学部に進学した瀬尾氏は、CG制作の専門学校にも通い3DCG制作ソフトの使い方などを学びます。そして「大学3年のときに、法医学分野の医療CGについてアメリカでの事例を担当の先生に話したことがきっかけで、裁判員裁判第1号事件の証拠画像として、研究室で3DCG画像を制作しました」という瀬尾氏の活躍が、学内や卒業後に研修で赴任した東大病院などで話題となり、教授や執刀医などから医療系CGに関する相談が寄せられるようになりました。

初期臨床研修を終えた瀬尾氏は、医療CGクリエイターとして本格的な仕事をはじめるために、プログラミングも再勉強し数々の3DCG制作ツールも使いこなすようになりました。そんなときに、東大時代の同級生で小児循環器内科の医師から「3Dプリンタで出力した心臓の模型よりも、早く立体的に可視化する方法はないか」という相談を受けます。そこで瀬尾氏は「3Dプリンタ出力を行うために必要な心臓の3Dデータをタブレットで3DCGにして表示して見せたら、めちゃくちゃ評判になりました。それがきっかけで、CT画像やMRI画像から3DCGを瞬間的に表示できるようにすれば、研究や教育にすごく役立つのではないか、と考えるようになりました。それがViewtify開発の原動力になりました」と開発の歴史を語ります。

株式会社サイアメント<医用画像ビューワーViewtify®>様

Viewtifyの導入で加速する研究と教育

「Viewtifyは、大学病院や神奈川県立こども医療センターなどで、研究や教育を目的として導入が進んでいます。Viewtifyの3D裸眼立体視は、国産の空間再現ディスプレイにも対応していますが、軽さやデザインの面でAcer SpatialLabs View Proを選ばれるところが増えてきています。導入された医療機関では、先生方が後ろ向きの研究に活用されています。

Viewtifyを活用した英語論文を執筆されている先生も現れ始めてきており、将来的にViewtifyが医療機器化されれば、研究や教育の分野にとどまらず、実際の治療でも役立つのではないかと期待しています」と瀬尾氏は話します。

また、裸眼3DモニターとしてAcer SpatialLabs View Proを採用した理由について、瀬尾氏は「裸眼で立体視できる性能を重視しました。研究や教育の現場では、ヘッドマウントディスプレイの装着は不向きです。Viewtifyでは、パソコンを操作しながら画像を調整するので、ヘッドマウントディスプレイでは脱着の手間がかかります。それに対して、Acer SpatialLabs View Proならばメガネも不要で立体画像を確認できるので、Viewtifyによる体内の立体構造の再現には適しています。また、Viewtifyは3Dゲーム開発のプラットフォームであるUnreal Engineを用いて開発しているため、裸眼3Dモニターの対応も可能でした」と評価します。

株式会社サイアメント<医用画像ビューワーViewtify®>様

3次元医用画像ビューワーの将来性

Viewtify + Acer SpatialLabs View Proの今後に向けては「レントゲン(X線撮影)のように当たり前の存在になったらいいなと考えています。レントゲンが使われ始めた昔は、自分の骨が見える画像を思わず周りに見せて自慢した人もいたのではないかと思いますが、今ではそう考える人はいません。同じように、Viewtify + Acer SpatialLabs View Proで目にする立体的な体内の立体構造も、医療現場で日常的なものとなり、将来的にはより多くの患者さんたちの治療や健康に貢献できたらと願っています」と瀬尾氏は夢を語ります。

瀬尾拡史氏 プロフィール

1985年東京生まれ。東京大学医学部医学科卒。医師。 医療CGクリエイターとして、医療3D CG映像及び医療3D CGソフトウェアの研究・開発・制作に取り組む。 医学に関する3DCGコンテンツプロデュースを最も得意とし、複雑で難解なサイエンスの世界を、誰にでも身近で「正しく、楽しく」伝えるCGコンテンツを制作。

瀬尾拡史氏

株式会社サイアメント

複雑で難解なサイエンスの「正しさ」と「楽しさ」とを両立させた、他に類を見ない高品質なサイエンスコンテンツを制作する会社。 研究機関や大学などと協力して、科学データをもとに高精細な3DCG映像などを制作している。 https://www.sciement.com/jp/

システム要件


医用画像リアルタイム3DCG 可視化システム
「Viewtify」

必須条件 推奨条件
OS Windows 10 64 bitまたは Windows 11 64 bit
CPU Quad-core Intel または AMD 2.5 GHz以上
メモリ 16GB 32GB以上
GPU NVIDIA GeForce RTX 2070 NVIDIA GeForce RTX 3090 以上
GPUメモリ 8GB 24GB以上
NVIDIAドライバ Ver. 496.13 以上(※NVIDIA 製GPU 以外では動作しません)
平面ディスプレイ解像度 1920 x 1080 3840 x 2160
その他 Windows ⽤キーボード、マウス、 4K 解像度平⾯ディスプレイ

※⼆条件同時表⽰等3DCG 形状が複雑な場合、GPU メモリ8 〜16 GB ではGPU メモリ不⾜により表⽰できない場合があります。
※ソフトウェアアップデートにはインターネット接続が可能なPC が必須となります。


裸眼3D立体視モニター Acer SpatialLabs View Pro
「ASV15-1BP」

SpatialLabs™ View Proにより裸眼3D立体視を作動させるには、下記の動作環境が必要になります。PCは別売となります。

デスクトップパソコン ノートパソコン
OS Windows 10以降 Windows 10以降
CPU Intel® Core™ i7、あるいはそれ以上(Intel® 第8世代以上) Intel® Core™ i7、あるいはそれ以上(Intel® 第8世代以上)
GPU NVIDIA® GeForce RTX® 2080、あるいはそれ以上 NVIDIA® GeForce RTX® 3070 Ti Laptop GPU、あるいはそれ以上

裸眼3D立体視モニター
Acer SpatialLabs View Pro
「ASV15-1BP」

裸眼3D立体視モニター Acer SpatialLabs View Pro「ASV15-1BP」

デスクトップパソコン
Predator Orion 7000
「PO7-640-N96Z/309」

デスクトップパソコン Predator Orion 7000「PO7-640-N96Z/309」

4Kモニター
「CP3271KPbmiippruzx」

4Kモニター「CP3271KPbmiippruzx」

裸眼3D立体視ノートパソコン
ConceptD 7 SpatialLabs Edition
「CN715-73G-SL76Z」

裸眼3D立体視ノートパソコン ConceptD 7 SpatialLabs Edition「CN715-73G-SL76Z」

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