2‑in‑1タブレットの「Iconia W510P2」を導入し競争力の源泉である品質とスピードの向上を実現
株式会社メイワパックス様
導入モデル:Iconia W510P2〈タブレット〉
プラスチック包装材の分野で高いシェアを誇る株式会社メイワパックスでは、2008年からセキュアなネットワーク環境を構築して、モバイルコンピューティングを展開してきた。2014年3月には、Acerの脱着式キーボード付属の「Iconia W510P2」を120台導入し、営業マンが社外から社内の基幹システムにアクセスして、リアルタイムに包装材のデザインの確認や指示を行うことで、受注から生産、納品までのプロセスの効率化を図っている。同社がIconia W510P2を選択した理由はどこにあったのだろうか。
社外からアクセスできるセキュアなネットワーク環境を構築していたが、デバイスとして導入したWindows以外のタブレットとWindowsベースの基幹システムとの連動性が悪く、社外でOfficeを利用するために、タブレットとノートPCを2台持ちしていた。
導入製品:Acer Iconia W510P2
Windows 8 Proを搭載し、Windowsベースの基幹システムとの相性が良く、脱着式キーボードが付属しているためノートPCとしても利用できるところが評価された。
「Iconia W510P2」はタブレットとしても、ノート PCとしても使えるため、ニーズに応じた使い方が可能。社外から基幹システムにアクセスし、閲覧だけでなく、データの編集も行えるようになったことで、営業活動の飛躍的な効率化が進んでいる。
社外から基幹システムにアクセスできるセキュアなネットワークを構築
大阪府柏原市に本社を置く株式会社メイワパックスは1962年創業。プラスチックフィルムを中心とした包装材ビジネスで成長してきた。現在、国内に8つの生産拠点を展開。グループ企業を合わせると全国に11の工場を擁し、中国、香港、タイにもサービス拠点がある。企画からデザイン、印刷、加工、検査まで一貫した生産体制を確立し、オンリーワンの商品を数多く送り出してきた。
創業当初はぱんの袋から始まったプラスチック包装材の製造は、食料品の包装などに広がり、その後、詰め替え用洗剤の袋やフェイスマスクのパッケージなど、医療系・美容系製品の包装まで急速にビジネスを拡大してきた。袋のまま電子レンジで調理できる「レンジでポン」も同社が開発したヒット商品のひとつだ。
同社のグループ関連企業でシステム子会社的な役割を担う株式会社ドリームwebシステム(DWS)の代表取締役社長であり、本社総務部次長も兼務する早川晋氏は「営業先は時代の変化とともに変わってきました」とその変化の激しさを語る。
現在、同社の営業所の数は全国に9か所。規格品を販売するだけでなく、顧客の取扱製品に合ったオーダー品を技術部隊と協力しながら開発するのも営業の重要な仕事だ。取扱商品の種類は現在10万種以上。「実際には数えられない」(早川氏)という。袋の種類と用途は大きく広がっている。
「新商品は待ったなしで市場に出ていきます。海外では考えられないほど、日本の製品には精密さが求められ、トラブルは許されません。品質とスピードこそが当社の競争力の源泉なのです」と早川氏は同社のビジネスの特徴を挙げる。この競争力を強化する切り札が、社外からモバイルで基幹システムを利用できることだった。勿論、安全性の確保は不可欠だ。
そこで同社は2008年、SSL‑VPNによって暗号化され、基幹システムに外出先から安全にアクセスできるセキュアなネットワークを構築するとともに、3G回線を装備したWindows以外のタブレットを全営業マン向けに導入した。社外から基幹システムを利用できれば、営業効率を飛躍的に高めることができると期待されていた。
機動力向上のために2‑in‑1タブレット「Iconia W510P2」を採用
管理本部 電算室 課長 成島 一弘氏(左)
株式会社ドリームwebシステム
代表取締役社長 早川 晋氏(右)
しかし、Windows以外のタブレットを使っていくうちに課題も浮上してきた。1つ目は、Windowsベースの基幹システムとの互換性の問題である。Windows以外のタブレットから基幹システムにアクセスすることはできるが、通常使用しているシステムとはインターフェイスが異なり、キーボードもついていないだけに、受注報告や出荷手配などデータの入力に手間がかかる。そしてもう1つは、外出先でもMicrosoft Officeを使いたいというニーズが根強かったことだ。
「結果としてタブレットからはシステムを確認するだけのものになってしまい、営業マンは外出先でWordやExcelのデータを編集するために、ノートPCも持ち運ぶという"2台持ち"になっていました」と同社の管理本部電算室課長の成島一弘氏は当時の状況を語る。期待通りの効果が出ていないと判断した同社は大きな決断をする。Windows以外のタブレットの利用を止めて、別のデバイスを導入する方向に舵を切ったのである。
当初はAndroidタブレットについても検討したが、Windowsベースの基幹システムと連携させるには作りこみが必要で、Microsoft Officeとの相性も決して良くない。マルチウィンドウでないことで、作業効率が落ちる恐れも
あった。さらに、タブレットだけでなくキーボードも使えるようにしたいという要望も考えると、Windowsベースのタブレットでキーボードも使えるものに絞られた。そんな時、早川氏の目に留まったのが、Windows 8 Proを搭載し、脱着式キーボードの付属した「Iconia W510P2」だった。
「昨年12月にタイに出張していて地下鉄に乗ったんです。その時、偶然車内で目にしたのがIconiaシリーズのポスター広告でした。一目見てこれだ、と思いましたね」と早川氏。帰国早々、パートナーとして信頼している日本トレーディングシステム株式会社の代表取締役社長の坪倉亘氏に「評価してみたい」と連絡をとった。連絡を受けた坪倉氏はすぐにAcerに連絡して検証機の貸し出しを依頼した。
「検証機はすぐに到着しました。貸出期間についても通常2週間のところを希望に応えてくれて、1か月ほど時間をかけて検討することができました。こうした迅速で柔軟な対応は高く評価できますね」と早川氏。成島氏は「Iconia W510P2の魅力はなんといっても軽さです。タブレット本体だけだと約580グラム。キーボードを装着しても、ノートPCの半分の重さしかありません。XP搭載マシンの入れ替え用端末としても、十分な機能を持っていることがわかりました」と評価する。
問題として残ったのは通信機能だ。「Iconia W510P2」には通信回線が搭載されていない。「そこで営業マンの携帯電話をiPhoneに変えてテザリング機能を利用することにしました」と早川氏。営業マンはiPhoneと「Iconia W510P2」だけを持って外回りに臨むことができるようになった。
作業スタイルの自由さとWindows8の利便性がITの活用レベルを向上させた
2014年3月に「Iconia W510P2」が導入されてから2か月が経ち、「営業マンからの評判は上々」と成島氏は語る。「目的は営業活動の支援。社内での作業が多かった企画から納品までの工程が外出先からも進めることができるようになりました。特に、これまで移動時間に悩まされていた北海道や九州といったカバーエリアが広い地区を担当する営業マンにとっての効果は大きいですね。感覚的には 2日かかっていた業務が 2時間に短縮された感じです」(成島氏)。2‑in‑1スタイルの Iconia W510P2 の導入によってステップアップしたいという目的は確実に達成されたようだ。
最大のポイントは、2‑in‑1タブレットとしての作業スタイルの自由さだ。「規格品の数量を発注したり、デザインをお客様にお見せしたりするには、タブレットだけでも事足ります。その意味で以前のスタイルもなかなか良かった。しかし、Iconia W510P2 なら、そういう使い方も、キーボードから入力するという使い方も、両方できる。営業マンによって使い方が違うだけに、便利だという声を聞きますね」と早川氏は話す。
ノートPCとしてとらえた時でも利便性は大きく向上した。「若い人たちはタッチパネルに慣れています。PCでありながら指で画面を拡大できるので、年配のお客様に細かいデザインや文書を見せるときに便利です。バッテリーについても、タブレット本体に9時間、キーボードに9時間のバッテリーを搭載し、最大で18時間と十分。充電しないで一日中使えます」と成島氏は機能の良さを指摘する。
早川氏は「これでいつでもどこからでも ITを活用できる環境が整いました。今後は適用範囲をどんどん広げていく予定です。過去のデザインをデータベース化して、それをサンプルにデザイン作業の時間を短縮したり、PDF ファイルでお客様にデザインを確認していただいて、そのまま画像処理の工程につなげたり、今までできなかったことに取り組んでいきたいですね」と今後の抱負を語る。
2‑in‑1タブレットのIconia W510P2の使い勝手の良さは、同社の営業力を強化するととともに、顧客に品質とスピードのメリットをもたらす。それが同社と同業他社との差別化をますます加速させていくだろう。
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